コンテナ建築入門
2023.12.16
コンテナ建築:空箱sorabakoのデザイン性。
コンテナ建築の特性
日本では「デザイン」という言葉が日常的に使われる前に、「設計」とか「意匠」という言葉が存在していたことで、実は、皆さん意識されてないとは思いますが、大きく2つの意味を混在させて「デザイン」という言葉を使っている人が、ほとんどであるという事実があります。ここでは2つの意味でのデザインを分けて、紹介したいと思います。1つ目は、古い日本語でいう「意匠」についてです。意匠というのは、主に、建物外観のテイストについての話です。コンテナ建築は、その独特な形状が、とても個性的です。そして、鋼鉄に独特の凹凸状の表面は塗装で保護することから、「色」を自由に選択できるということも、非常に多様化・差別化できる要因となっています。建物の色は、印象に非常に大きく影響します。毎日、自分が過ごす建物の外観を、自分の好みで選べるというのはとても大きなポイントではないでしょうか?十人十色というように「昔から青色が好きだったんだなぁ」という人の願いも「プロのコーディネーターに選んでもらって評判の良い色にしたい」という人の願望も叶えることができます。コンテナ建築の外観については「やや荒っぽい・ラフなものが似合うんでしょ?」というような、ちょっと誤解されていることも多いと思います。店舗や事務所用途で利用されている実例を見ていただくと、ご理解いただけると思うのですが、マット系塗装(艶消し塗装)を選択したり、色調を工夫することで、意外に温かみのある、アットホームなテイストの建物にも良くなじむ外観に仕上げることも可能なのです。やはり表面の色や艶による印象の影響は大きいということかと思います。デザインという言葉の持つ、もう1つの意味。「設計」という側面についても紹介したします。建物の設計では、まず、すでに決まっている前提条件から発想していくという慣行があります。土地の大きさや、交通量、日当たり、方角などですね。コンテナ建築の場合、それに加えて建物の大きさを、コンテナサイズ1棟単位で全体のサイズを決めるということになります。やや専門的な言葉で表しますと「モジュール」で考えるということになります。モジュール型の設計には利点があります。建物全体の統一感が図りやすいということです。それは、建築のルールなど全く意識せず、素人発想で組み合わせなどのアイデアを考えても、しっかりデザインされたスマートな建造物になりえることを意味しています。私たち空箱sorabakoのスタッフは、その部分に大きな価値観を感じています。専門家でなくとも、お客様自身の発想で「こんなのがしたい!」と思い描いたものがそのまま実現できる。これは、建物を建てる皆様にとって、すごく素敵なことだと思うのです。さらにもう1つ、モジュール型の設計のメリットを紹介させてください。それは、安全性が高いということです。建物は人間が作るものです。だから、完全オーダーメイドで建物をつくるとなると、極々、細部にいたるまでしっかり検討したとしても、“抜け”というものは発生するものです。コンテナ建築の場合は、もともとしっかりと完成されたデザインである、コンテナを利用することで、最初から高い安全性が確保されていますので、安全が出来上がっている上に、機能を追加していくという順序で設計をしていくことが可能になり、より良いものをつくることに労力を割くことができます。これは施工面でも有利に働き、より丁寧な作業で建物が作られることを意味しています。