現代に生きる私たちの世代に、時代特有の事象とは何だろうか？と自問したとき、象徴される出来事のほとんどは、グローバル化やインターネットによる経済・金融の変化かもしれない。こんな時代には、私たち建築業界の革新は、コストダウンくらいしか残すことができないのでしょうか。そんな思いの中、変化のきざしを見つけました。地方都市に何かインパクトを残す、大きな変化をもたらせそうな予感をさせるのが、コンテナハウスです。長らく木造の文化が根付いているこの国に、木材の高騰、建築技術の進歩が相まって、いよいよ、鉄骨・鉄筋コンクリート・木造に次ぐ選択肢が建築の世界にやってきました。もちろん、CLTや３Dプリント建築など他の選択肢も潮流を感じさせます。ですが、欧米諸国の建築史の流れである「木から石」のように、日本に「木から鉄」への素材の変化が、時代の流れとして街並みに影響をもたらしそうな勢いを感じさせるのはコンテナハウスではないでしょうか。色が圧倒的に自由であることや、構造がモジュール型で規模の変化に対応しやすいことなどが、これからの「個性を大切にする」日本人の生活感に、きっとマッチしていくことと思います。快適性を保ちつつ、耐久性が高く、長く大事にできる、自分が生き生きとできる空間に、我々、地方都市に身を置く日本人も、過ごす時代がやってきているのだと思うといささか気持ちの昂ぶりを感じざるを得ません。